【ワンポイント回復コラム】70

自己と自己意志
〜ステップ3が気づかせてくれること〜
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「自己意志」とは何か
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ステップ3では、
「自分の意志と生き方をゆだねる」と語られます。
ここで言う「自分の意志」とは、
12ステップの言葉で言えば
「self-will(自己意志)」のことです。
自己意志とは、
「自分の思い通りにしたい」
「自分が正しいと思う通りにやりたい」
「自分でコントロールしたい」
という、自分中心の強い意志のことです。
これは一見、
主体性や自立心のように見えますが、
依存症の回復においては、
大きな落とし穴になることがあります。
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自己意志が回復を妨げるとき
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自己意志が強く働いているとき、
こんなことが起きやすくなります。
・「自分のやり方でやれば大丈夫」と
人のアドバイスを聞かない
・「もう少しだけ自分でできる」と
助けを求めることを先延ばしにする
・「なぜ自分だけがこんな目に」と
怒りや不満が積み重なる
・「こうなるはずだった」という
思い通りにならない現実への抵抗が強くなる
自己意志は、
「自分でなんとかしなければ」という
孤独な戦いを続けさせます。
その戦いに疲れ果てたとき、
依存対象に手が伸びることがあります。
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「自己」という問題
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12ステップでは、
依存症の根っこに「自己(self)」の問題がある
と考えます。
「自己中心性」と言うと、
わがままや身勝手なイメージがありますが、
ここで言う自己中心性とは、
もう少し深いものです。
・世界が自分を中心に回っていると感じる
・自分の感情や都合を最優先にしてしまう
・他者や状況を、自分の思い通りにしようとする
・うまくいかないと、自分か他者を責める
これらは、意地悪さからではなく、
恐れや不安、傷つきたくないという
自己防衛から生まれることが多いのです。
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自己意志を手放すとはどういうことか
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「自己意志を手放す」というのは、
自分の意見や気持ちをなくすことではありません。
自分の思い通りにしようとする
「執着」を手放すことです。
「こうなってほしい」という願いは持っていい。
でも「こうならなければならない」という
執着を手放す。
「自分が正しい」と思う気持ちはあっていい。
でも「自分だけが正しい」という
閉じた姿勢を手放す。
その違いは、小さいようで、
生き方を大きく変えていきます。
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ゆだねることで、見えてくるもの
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自己意志を手放し、
ハイヤーパワーにゆだねるようになると、
こんな変化が起きてくることがあります。
・思い通りにならないことへの
抵抗が、少しやわらいでくる
・「自分がすべてを決めなければ」という
重さが、少し軽くなる
・人の話を、以前より素直に聞けるようになる
・うまくいかなかったとき、
すぐに自分や他者を責めなくなる
これらは、一度に起きるものではありません。
ゆだねる練習を重ねる中で、
少しずつ、静かに変わっていきます。
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自己意志は、悪者ではない
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ひとつ、大切なことをお伝えします。
自己意志は、
消えてなくなるものではないし、
消す必要もありません。
自己意志があるから、
回復しようと踏ん張れる。
生きようとする力がある。
大切なのは、
自己意志を「主人」にしないことです。
自己意志に引きずられて生きるのではなく、
ハイヤーパワーの配慮の中で、
自己意志を「道具」として使えるようになること。
それがステップ3の目指す姿です。
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「自分の思い通りにしなければ」という
重い鎧を、少し脱いでみてください。
自己意志を握りしめるのをやめたとき、
初めて見えてくる景色があります。
ゆだねることは、
負けることではありません。
本当の意味で、
自由に生きることへの
入り口です。



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